【続編】それでも私はドライバーさんを守りたい──焼き付いたエンジンと、守れた“働く環境”の話 中野区・杉並区の軽貨物会社ブログ

前回の続きです。

ドライバーさんの車が高速道路上で出力低下し、ギリギリのところで路肩に停められた——あの朝の騒動から、話はここからさらに動いていきます。


◆修理工場で待ち合わせ。まずは状態確認から

レッカーで無事に修理工場へ運び込まれた後、私もドライバーさんもそれぞれ別ルートで現地へ向かいました。私は車の状態を直接見たかったし、ドライバーさんは車内に置いていた私物を取り出したいとのこと。現地で落ち合って車を前にすると、ドライバーさんは少し興奮気味に話してくれました。

「いや〜、ほんと三角表示板持っててよかったですよ! 高速の警備隊の方にも“持ってるの珍しいね”って褒められました!」

命に関わる状況だっただけに、胸を撫で下ろすと同時に、本当に無事でよかったと思いました。

軽貨物業は“体が資本”。ケガをしたら働けなくなる。帰宅できたことが何より大切。

それだけでも、今回は大きな不幸を回避できたと言えます。


◆エンジンは回らないが……「焼き付きではないかも?」と感じた理由

状態確認のため、キーシリンダーを回してエンジン始動を試みると、セルは回るもののエンジンが全く掛かりませんでした。

ただ、その挙動から私は直感的に、

「焼き付きではないかもしれないな……?」

と感じました。完全にエンジンが焼き付いた場合、セルすら回らないこともあります。少なくとも回るということは、まだ原因が別にある可能性があったからです。

——しかし、この判断が後に「淡い期待」だったことを知ることになります。


◆まずは燃料ポンプ交換。それでも症状は改善されず…

数日後、修理工場から連絡が入りました。

「燃料ポンプが動いていないので、まずはそこを交換しないと判断できません」

ということで、いったん燃料ポンプを交換してみることに。

同時にシリンダー調整も必要とのことでお願いしました。

「ここまでで直ってくれれば……」

ドライバーさんも、私も、そう願っていました。

しかし、後日返ってきた連絡は、期待とは逆のものでした。


◆ついに判明した“重い現実”

「オイル管理が悪かった影響もあり、エンジンがまともに回らない状態です。修理にはエンジン交換が必要です」

さらにこう続きました。

「エンジンを載せ替えた場合、不具合が出る可能性もあり、その都度追加修理が必要になるので、正確な見積もりは出せません」

工賃や部品代だけで既に約10万円弱。

エンジン交換となれば、

  • リビルドエンジン:48万円〜
  • 合計:約58万円以上

車体の価値は完全に超えています。

しかもこの車、十数万キロ走った中古車。

そして何より、

この車はドライバーさんが以前「どうしてもこの仕様がいい」と希望し、関連会社経由でオークションに参加して、やっとの思いで落札した車でした。

気に入って乗ってくれていた分、この判断は本当に辛いものでした。


◆それでも“結論は決まってしまう”

実質58万かけて修理する価値があるか?

ドライバーさんと話し合った結果、結論はひとつでした。

「廃車にするしかない」

望んだ結果ではありません。

けれど、冷静に見れば最も現実的な判断でもありました。


◆当社には“次の人のための車”を常備している

こういう時のために、当社では常に1〜2台の「次の人が使う車」、そして1〜2台の予備車、合わせて3〜4台をストックするようにしています。

本音を言えば、

この規模の会社で4台も予備を持つのは正直かなり苦しいです。

維持費もかかる。

駐車場代もかかる。

車検・税金・整備費……全部かかる。

それでも維持できているのは、

  • 関連会社が中古車オークションに参加できる
  • 駐車場を中野ではなく練馬に構えて固定費を下げている
  • 車両を“資産”ではなく“働く人のための道具”と考えている

こうした工夫と考え方のおかげです。

そして何より、

ドライバーさんの幸せにつながると信じているからこそ続けています。


◆ドライバーさんに言われた“ある言葉”が忘れられない 

今回の件でも、ドライバーさんからこう言われました。

「条件が良すぎて、他の人に話すと嫉妬されるんですよ。だから言えないんです。タイヤ替えに来てくれるの見られると“うらやましい”って言われて……」

実は、これ、以前別のドライバーさんにも言われました。

その方はある時、他社のドライバーと報酬の“明細見せ合いっこ”みたいな状況になったそうですが、

「恵まれてると思われるから見せられなかった(笑)」

と笑っていました。

そんな話を聞くたびに思います。

私は元々、現場のドライバーでした。だからこそ、

「働くみんなの屍の上にある幸せはいらない」

このポリシーは一生変えないつもりです。


◆まとめ

今回のようにトラブルが起きた時でも、

会社としてできる限り守る。

代車も手配し、稼働に穴は空けない。

収入も守る。

それが私の仕事です。

もし、この考え方に共感してくれる方がいたら──


あなたの働く環境を、

“誰よりも現場を知っている社長”が全力で守ります。


◆さいごに

弊社では、パートナー様の信頼できる業務により、クライアントから「もっと求人してほしい」「人を入れてほしい」といわれています。 実際、優先的に求人の話をされることもあります。 是非皆さんも弊社と一緒に成長していきませんか? よろしくお願いいたします。 


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