運送業界の未来、どうなるんだろう? 中野区・杉並区の軽貨物会社ブログ
◆運送業界のDX・AIと宅配専門会社の未来
先日、弊社の立ち上げから共に歩んできたメンバーと久しぶりにじっくり話す機会がありました。話題は自然と「これからの運送業界はどうなっていくのか」「DXやAIの波にどう向き合うべきか」という点に及びました。私自身、30年近くこの業界に身を置き、今は中野・杉並エリアで宅配を中心とした軽貨物事業を営んでいます。今回は、現場の実感と経営者としての視点から、運送業界のDX・AI活用、省人化の現実と未来について考えをまとめてみたいと思います。
◆弊社の事業構成と現状
弊社の売上は、99%が宅配、1%がチャーター輸送(引越しなど)という、いわば「宅配専門会社」です。日々、地域の皆様のもとへ荷物をお届けすることが私たちの主な仕事です。宅配の現場は、繁忙期には人手が足りず、逆に閑散期には稼働調整に苦労するなど、常に人と仕事のバランスに頭を悩ませています。
◆運送業界に迫るDX・AIの波
近年、運送業界でも「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「AI活用」が急務だと叫ばれています。背景には、人口減少による労働力不足、EC市場の拡大による宅配需要の増加、そして働き方改革による労働時間の制約など、さまざまな課題があります。
◆省人化・省力化の必要性
今後、人口減少が進めば、今以上に人手不足が深刻化し、「荷物が届かない」という事態も現実味を帯びてきます。省人化・省力化は避けて通れないテーマです。しかし、現場で働く人にとって「省人化=仕事がなくなる」という不安がつきまといます。たとえば、長年運転手として働いてきた人が、いきなり営業や事務に回されて即戦力になれるかといえば、現実的には非常に難しい。本人にとっても大きなストレスですし、会社にとっても良い結果を生まないことは容易に想像できます。
◆運送業界でDX・AIが進む具体例
では、実際にどのような部分が省人化・省力化できるのでしょうか。いくつか具体例を挙げてみます。
~再配達受付や問い合わせ対応の自動化~
チャットボットを活用することで、再配達の受付や問い合わせ対応を自動化し、コールセンターの人員を削減できます。これにより、オペレーターの負担軽減とコスト削減が期待できます。
~倉庫内作業の自動化~
AIロボットによる荷物のピックアップや仕分け作業の自動化が進んでいます。これにより、倉庫作業の省力化が実現し、人的ミスの削減や作業効率の向上が見込まれます。
~幹線輸送の自動運転化~
東京―大阪間などの長距離幹線輸送では、自動運転トラックの実証実験が始まっています。新東名高速道路の一部車線を使った実験も進行中で、将来的には人手を介さずに大量輸送が可能になるでしょう。
◆宅配業の未来はどうなるのか?
ここで重要なのは、「我々の仕事をどう確保していくか」です。初期メンバーの中には「運送業は衰退していく、なくなっていく業界だ」と悲観的な意見もありました。しかし、本当にそうでしょうか。
~幹線輸送と宅配の違い~
確かに、幹線輸送や倉庫内作業は、AIやロボット、自動運転技術の進化によって、かなりの部分が機械化されるでしょう。しかし、私たちのような「宅配業」は、少なくとも今後20~30年は大きく変わらないのではないかと考えています。
~ドローン配達の現実性~
ドローン配達は、山間部の一軒家などには有効かもしれません。しかし、東京都内のような人口密集地でドローンが大量に飛び交えば、墜落事故のリスクや騒音、プライバシーの問題が避けられません。一つの配達に一台のドローンを飛ばすとなれば、空がドローンで埋め尽くされるという非現実的な状況にもなりかねません。
~宅配ロボットの限界~
大手宅配会社が自動運転の宅配ロボットを試験導入していますが、現状では玄関先まで荷物を届けることはできません。重たい水やお米を頼む方が多い中、ロボットの巡回場所まで荷物を取りに行くのは高齢者や体の不自由な方にとって大きな負担です。高齢化社会が進む中で、こうしたサービスが本当に現実的かどうかは疑問が残ります。
◆宅配業の本質と変わらない価値
私自身、30年近く宅配の現場に携わってきましたが、基本的なやり方はほとんど変わっていません。配達手段が自転車からEV(電気自動車)に変わることはあっても、「人の手で荷物を届ける」という本質は変わらないのです。むしろ、現場は常に人手不足で困っているほどです。
~人が届ける価値~
宅配は単なる「モノ運び」ではありません。お客様の顔を見て、時には声をかけ、荷物を手渡す――この「人が届ける価値」は、AIやロボットには代替できない部分です。特に高齢者や一人暮らしの方にとっては、配達員とのちょっとした会話が日々の楽しみになっていることもあります。
◆今後の展望と私たちの役割
DXやAIの活用は、業務効率化や省力化のために必要不可欠です。しかし、宅配業の現場は「人の手」が不可欠であり、今後もその価値は失われないと確信しています。むしろ、EC市場の拡大や高齢化社会の進展により、宅配の需要は今後も増えていくでしょう。
◆まとめ
運送業界は、DXやAIの進化によって大きな変革期を迎えています。しかし、宅配業の現場は「人の手」が不可欠であり、その価値は今後も変わらないと考えています。
私たちは、「人が届ける価値」を大切にし、地域社会に貢献し続ける会社でありたいと思います。 これからも、現場の声に耳を傾け、時代の変化に柔軟に対応しながら、宅配業の未来を切り拓いていきます。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
◆さいごに 弊社では、パートナー様の信頼できる業務により、クライアントから「もっと求人してほしい」「人を入れてほしい」といわれています。 実際、優先的に求人の話をされることもあります。 是非皆さんも弊社と一緒に成長していきませんか? よろしくお願いいたします。
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